【書評】『へんな判決』(のり・たまみ)

へんな判決

概要

書名 :へんな判決

作者 :のり・たまみ

出版社:ポプラ社

出版年:2008年

本の長さ:192ページ

ジャンル:エッセイ、法律、ユーモア

内容:世界中のユニークで奇妙な裁判の事例を紹介。なぜそんな訴訟が起きたのか、その背景や判決内容を分かりやすく解説。

 

特徴

・読書習慣がない方にもオススメ。

・訴えと判決と解説が見開きで書かれているため、パッとテキトーに開いて、どのページからでも楽しめます。

・クスッと笑える挿し絵が散りばめられて、ページをめくるのがほ〜んのちょっとだけ楽しみ。

 

この本を読むと得られること

・自分の力で切り拓くたくましさを学べる。

・暇つぶしになる。

・斜め上の訴えに驚愕する。

 

感想

近所の人たちが宝くじで24億円当選。

宝くじの運営会社は精神的ショックに対し損害賠償を支払え。

(42ページ)

47年間、たばこを吸い続けたせいで、肺がんになった。

(60ページ)

すべての災いは神様の責任である。 

災いをなくすように裁判所から神様に命じてほしい。

(124ページ)

これらの訴えを見て、「へ〜、世の中にはいろんな考えの人がいるんだな」で、終わらせるのは大変もったいないです。

 

到底勝ち目がなさそうな厳しい状況の中でも、自分の信念を貫こうとする彼らの行動は、勇気と情熱にあふれています。

 

この本を読んで、ある人からこんな事を教えてもらったことを思い出しました。

 

心の強さは2種類あると。

 

1、鋼のような強さ

どんなに殴っても、硬さで弾き返す強さ。

相手の拳にダメージを与え、殴るのを躊躇させる。

 

2、のれんのような強さ

どれほど強く殴っても衝撃を受け流し、ダメージを受けない強さ。

相手を疲弊させ、殴るのをやめさせる。

 

これらは両方とも強さであり、相手をねじ伏せるだけが強さでは無く、しなやかに受け流すのもまた強さであり、どちらが優れているというわけではないというものです。

 

この本は、前者の強さを象徴しているように思います。

 

明らかに無理がある訴えも多数ありますが、周りのことなんか気にせず、自らの正義を貫くために戦う姿勢が描かれています。

 

もしかしたら、自らの落ち度に気付いていながら、「ここで裁判を起こして、もしこっちが勝ったら、大金もらえるかも」という思惑もあるかもしれませんが…

 

たった一度の人生、自分の正義のために戦うべき時や、滅多にないようなチャンスのために全力で勝ちにいく尊さを教えてくれます。

 

以上です、ありがとうございました(^^)