概要
書名:909の恐怖
作者:ディスカヴァー編集部
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
出版年:1991年
本の長さ:141ページ
ジャンル:ホラー、怪奇
内容:日常生活の中で感じる恐怖や不安を短文でまとめられている。
特徴
・CDサイズの文庫本という形態で、手軽に持ち運べる。
・基本的には怖いものの表現が、単語だったり、シチュエーションで書かれており、長くても100文字程度なので、読書が苦手な人でもサクサク読める。
・どのページからでも楽しめる。
・怖くはないけど、なんともいえない不思議な雰囲気の写真や挿絵が所々にある。
・怖い話が苦手な人でも読める…と思う。
この本から得られること
・感性は人それぞれ、それを知るきっかけになる
・恐怖を感じるシチュエーションの多様性
・何気ない出来事に対する新たな視点
購入の決め手
古本屋で見つけ、2、3ページめくったところ、その面白さと読みやすさで、これは僕のための本だと確信した。
感想
皆様は怖い思い出はありますか?
僕はこの本をを読んで、小学生の頃の記憶を思い出しました。
冬の夕暮れは早く、友達と遊んだ帰り道が暗かったため、一人で帰るのが本当に怖かったんです。
なので、いつも友達に家の近くまで送ってもらっていました。
今思えば、当時はなんであんなに怖かったんだろう…
とはいっても、怖がりなところは今も変わらず、ホラー映画は無理だし、怖い話を聞いた日は目を開けてないとシャワーを浴びることができません。
そんな怖い話が苦手な僕でも読破できたので多分……というか、これは怖い本じゃないです(笑)
この本はタイトルとは裏腹に、百物語のような心霊的な恐怖や、ムカデ人間のようなグロテスクな描写はなく、日常で感じる小さな恐怖や嫌なことが、箇条書きで909項目、淡々と書かれています。
書かれているものがホントに絶妙な怖さ具合で、誰もが「あ〜わかる、怖いかも」と共感できるものもあれば、「そんな視点ある!?」と思えるようなもの、クスッと笑ってしまうものなど様々。
いつも同じ服の人(19ページ)
深爪(55ページ)
間に合わない(57ページ)
人の印鑑(64ページ)
夜の停電(66ページ)
満員電車の中で、目が合っても顔をそむけない人(79ページ)
…まぁ…確かに怖いっちゃ怖いけど…
また、一見怖くない言葉でも、想像力を掻き立てられ、共感に変わる瞬間も多々あります。
まめな人(31ページ)
幸せの絶頂(92ページ)
食器売り場の子供連れ(112ページ)
なかには、怖いというよりも、ただ単に字面が怖いだけだったり…
「ぐず」(78ページ)
膿(118ページ)
手がでかい女(120ページ)
こんな感じで、この本は短い文で構成されているため、疲れている時や集中力がない時、またはちょっとした休憩時間にサクサク読めます。
ただ、笑いのツボが浅い方は、電車やバスの中で読む時は、要注意です。
…それにしても、よくもまぁ909項目も集めたもんですね(笑)
以上です、ありがとうございました(^^)