【書評】『イッカクさん』(みやざきちか)

イッカクさん

概要

書名:イッカクさん
作者:みやざきちか
出版社:Kindleのみ
出版年:2022年7月29日
本の長さ:32ページ
ジャンル:児童書、絵本
内容:怠け者のイッカクさんと子分のタコ。
ある日、ひょんなことから二人の冒険が始まる…

 

特徴

・子どもから大人まで楽しめる。
・絵に独特の味があり、見ていて飽きない。
・ストーリーがわかりやすく、サクサク進んで読みやすい。

 

この本から得られること

・友情の大切さ。
・謙虚な心を持つことの重要性。
・良い情報は自分で掴みにいくこと。


感想

普段は実用書や雑学本を買っては、積ん読行きになるのが定番の流れなのですが、今回は気分転換に物語モノに挑戦してみました。

 

この本を選んだ理由は表紙。

 

見て下さい、厚かましそうなイッカクさんと、困った表情の子分であり友達のタコの対比がユーモラス。

 

サンプルをパラパラっと読んで、この本の独特な世界観にすっかり魅了されてしまい、即購入。

 

この本の魅力はなんといっても、手作り感満載の温かみあふれる絵です。

 

カラフルな色使いはもちろん、イッカクさんやタコだけでなく、そこら辺を泳いでる脇役の魚たちまで個性的で、思わず笑ってしまうような表情をしています。

 

また、サンプル読んでもらえばわかると思いますが、泳いでる魚の絵をよ〜く見ると「絶対コピペして使い回してるだろ」と突っ込みたくなるようなところがいくつもあり、それがまた手作り感というか、人間味があって好き。

 

こういうのも含め、これは作者の書く独特な世界観しか出せないような絵だと僕は思います。

 

物語は、怠け者のイッカクさんと、彼に振り回されるタコさんのコンビが、ひょんなことから冒険に出かけることになってしまう、というコミカルな展開。

 

主人公であるイッカクさんは、魚を捕るのも子分のタコに任せるほどの怠け者。

 

イッカクさんの傍若無人っぷりも面白いですが、子分のタコにも注目してほしいです。

 

彼はイッカクさんの忠実な子分であり、イッカクさんの冒険を支える存在です。

 

イッカクさんの行動に不満そうな顔をしているシーンもありますが、それでもイッカクさんについていきます。

 

この物語を通して、リーダーを支える タコのような「ナンバー2」の大切さ、そして、イッカクさんのように調子に乗るのもいいけど「ほどほどにね」ということを教えてくれるのではないでしょうか。

 

以上です、ありがとうございました(^^)