概要
書名:超訳 ブッダの言葉 エッセンシャル版
作者:小池龍之介
出版社:ディスカヴァ ー・トゥエン ティワン
出版年:2015年11月19日
本の長さ:192ページ
ジャンル:宗教、哲学、エッセイ
内容:ブッダの教えをまとめた古い経典の中から筆者自身が気に入っているフレーズを選定し、現代の私たちでも理解しやすい言葉で、独自の解釈を加えて現代語に訳した本。
現代人との感覚のギャップを埋めるために、フレーズの核心を保ちつつも、原形をとどめないほどの超訳されているものもある。
特徴
・「怒らない」「比べない」「求めない」「業を変える」「友を選ぶ」「幸せを知る」などの、12個のテーマに沿って、より良い生き方について深く掘り下げられている。
・古典的な言葉ではなく、現代人が理解しやすいようなカジュアルな言葉で、仏陀の教えを別の形で表現されている。
・一文が短く、どのページからも読めるので、読書が苦手でも読みやすい。
・教典を深く研究したい方よりも、仏教の教えを身近に感じたい方におすすめ。
この本から得られること
・考え方、生き方の参考になる。
・仏教の世界に軽く触れることができる。
感想
日常生活に支障が出るほどではないものの、なんとな〜く不安感や焦燥感、ほかにも「周囲に迷惑をかけていないかな〜」などを考えてしまってモヤモヤしている感覚があり、これをなんとかしたいと思っていました。
そんな中、古本屋でたまたま見つけたのがこの本で、パラパラと数ページめくって、すぐに読みやすい本と確信、即買いしました。
【僕にとっての読みやすい本の条件】
・余白が多い
・一文が短い
・簡単な言葉
「この本のおかげでモヤモヤが晴れたぜ♪ヤバいオレ、悟ったんじゃね?」なんて言うつもりは無いですが、書かれている内容が気持ちいいくらいにサッパリしていて、自分に合っていました。
(「悟る」とは、心のザワザワをなくして、心が静かで落ち着いた状態になること。)
中には極端な表現で、同意出来ないものもありましたが(怒らない 020)、何かしらモヤモヤを抱えている人にはとても役立つ言葉が詰まっていると思います。
本場の仏教の経典を読んだこともないので、あくまでこの本に書かれている中での内容になってしまいますが、僕なりにザックリまとめると、
「すべての出来事には理由があるからね」
「ヒントは教えるけど、自分自身で頑張って悟ってね」
「自分(仏陀)の教えを鵜呑みにしないで、自分自身で確かめて、納得したことを信じなさいね」
みたいなことが書かれているのかなと感じました。
生きていれば必ず何かしら問題が発生すると思いますが、仏陀の教えではそれらに対して、「祈れば◯◯が救ってくれる」ではなくて、「こんなふうに考えてみるといいよ、とりあえずやってみたら?」といった感じで、僕はそのスタンスが好きです。
最後に、この本の中で「確かに!それな〜!」と印象に残った言葉を3つ紹介して、締めくくりたいと思います。
もし誰かに悪口を言われたら
もし君が、誰かに悪口を投げられて傷つきそうになったなら、思い起してみるとよい。この悪口っていうやつは、今に始まったことではなく、原始時代からずーっと続くものだということを。
静かに黙っている人は、「ムッツリしている」と悪口を言われ、たくさん話をする人は、「おしゃべりな人ですこと」と非難され、礼節をわきまえてしゃべる人すらも、「何か企んでいるんじゃないかしら」などと悪評を流される。
法句経227
(怒らない 003)
「 ある」と「ない」に動じない
君の頭に浮かんだ考えや君の持ちものについて
「 これは自分だけの大切なオリジナルだ」なんて、君がしがみつかなくなるなら。
褒めてもらえないとか、愛されてないとか、約束を守ってもらえないとか、君が「ない」に対して嘆かないなら。
「ある」にこだわらず、「ない」に嘆かず、君の心は無敵とばかりにやわらかくなる。
経集950
(求めない 048)
煩悩を焼き尽くす火を燃やせ
君よ、香を焚いて良い匂いを漂わせたり、お祓いをしてもらったり、護摩の火を焚いて儀式をしたら、心が浄化されるなんて思い込まないように。
それは単なるうわべのことにすぎない。
君よ、私は護摩の火を焚いたりする代わりに、心の内部に強烈な火を焚いて燃やす。
心の中に消えることなき火を焚いて、いつも精神集中をしながら、迷いなく煩悩を焼き尽くそうと努めている。
相応部教典
(自分を知る 115)